2007年02月11日

非常識な来客:年末に現れたヒットマン風の男の巻

あれは、去年の年末のことだった。

いつも通り、オフィスですきま風に震えながら仕事をしていると、
インターン生が事務所にやってきた。

「あのー、連れてきました」

と、インターン生が言い終わらないうちに入ってきた、
ガタイの良い男。

挨拶もそこそこに、右手をポケットに忍ばせて、
カッターナイフを取り出した。

こいつ、ヒットマンか!理事長が危ない!

と、とっさに逃げ出そうとすると、

「あの、割り箸ありますか?」

と訪ねてきた。

新手の拷問か?と疑念を感じながらも、
怖いので、素直に渡すと、
ヒットマン風の男は、椅子に座り、カッターナイフで
割り箸を削り始めた。
どうやら危害を及ぼすつもりはないらしい。

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真剣な眼差しで割り箸を削るヒットマン風の男

ヒットマン風の男がヒットマンではないと分かり、
とりあえずほっとして、仕事を続けることにした。

ヒットマン風の男は友人と雑談をしながら、
割り箸を削り続けている。
どうやら何かを作っているらしい。

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とにかく何かを作りたいらしい創作意欲旺盛なヒットマン風の男


10分ほど経って、ヒットマン風の男は、
「あのー、コンパスありますか?」
と訪ねてきた。

「コンパスねえ、この事務所ではみた覚えないなあ。
 何の角度計りたいの?」

と、コンパスと分度器をはき違えて回答をするあたり、
まだ警戒心が解けていない証拠であろう。
いずれにせよ、コンパスはなかった。

「じゃあ、ホッチキスの針ってありますか?」
と聞いてくるヒットマン風の男。
おもむろに針を差し出すと、割り箸にねじ込みはじめる。
どうやら穴をあけたいらしい。

さすがにそれはヒットマンでも無理だろうと高をくくっていると、
数分試行錯誤した後、おとなしく諦めたヒットマン風の男。

そんなこんなで20分が過ぎると、

「できた」

ついに拷問道具ができてしまったかと、
おそるおそる顔を上げると、
そこにあったのは、

竹とんぼだった。

なぜこの年末に、オフィスにきて、ヒットマン風の男が、竹とんぼなのか?
と、全く状況をつかめない社員を尻目に、
ヒットマン風の男は竹とんぼを握りしめた。

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飛んだ。
ヒットマン風の男が、15分で作った竹とんぼが、見事に飛んだ。

KGCの社員は、仕事を忘れ、
舞い上がる竹とんぼに、間近に迫った2007年への思いを馳せたのだった。


そして、帰り支度を始めるヒットマン風の男。
「お名前を教えていただけますか?」
と、勇気を出して聞いてみると、一言、

「石田です」

そう言い残して、ヒットマン石田は木枯らしの吹きすさぶ京都へ消えていった。